泣きたい時に笑いたいと
「ひーなーげしーのー花をー散らしなーがらーたーびだーってゆくー」
地球連邦とザンスカールの停戦協定発効後、ようやくカサレリアに帰ってきたウッソ達だった。だが、自分達に強い恨みをもつ者達の襲撃に遭い撃退には成功したものの母を亡くした悲しみも消えやらないウッソの心に更なる傷を残した。
しかしカサレリアの高台に響き渡るシャクティの歌声に少しでも傷が癒された感じがした。
お墓を作った後、マサリク家やイエリネス家は小川沿いの空き家に腰を据えることになり、オデロ・ウォレンやクランスキー姉妹はウッソとシャクティの家でもてなすことになった。
せっかくの機会なのでシャクティは存分の料理をふるまおうとしたが、畑が荒れたままで家畜の羊も逃げてしまっていたので瓶に詰めていた保存食やホワイトアークから少々頂いてきた缶詰が中心の食卓となった。
カサレリアで大勢の同世代の子供達と食卓を囲むことは初めてのことであり、ウッソもシャクティも今までに経験したことのなかった賑やかな雰囲気に最初はやや戸惑ったが、
会話を盛り上げてくれるするのは少しでも悲しい記憶を忘れさせようという皆の心遣いなんだと気が付いて、必死に明るくふるまった。
食後、自然な成り行きで女子組はシャクティの家で男子組はウッソの家で夜を過ごすことになった。
しばし自宅の一階で他愛のない会話を交わすウッソ、オデロ、ウォレン。
「そういえばさ…昔の戦争で恋人や結婚している人って女の人の髪の毛をお守りに貰ったって聞いたけど、あれ本当なの?」唐突に聞くウォレン。
「本にはそう書いてあったけど…オリファーさんとかはどうだったのかなァ」
「俺は貰ってるぜ!ウォレンには言っただろ?俺には守り神が付いてるって…」
「えっそれって…」
「ウッソだってさ…マーベットさんとかカテジナさんとか言ってきたけど本当はシャクティのこと…」
「あっあれはただの妹ですよ!」
そういうとウッソはもう寝ますと自室へ梯子を上っていく。
その後も階下の居間からは「ウッソはああ言ってるけどさあ…」とか「それよりよ…こっそりとシャクティの家へ行けば二人を夜這いできるチャンスじゃないか?」とか二人の会話が聞こえてきたが、数分もするとするとウッソの両親の部屋へ入っていった。
30分は経っただろうか。周囲が完全に寝静まったのを感じるとウッソはゆっくりと梯子を降り、家の外へ出た。目の前には月夜で照らされた荒れたままの畑が広がり自分たち以外に生き物の気配は感じられない。
視線を右へやり、ガレージへ向かっていく。地下への扉を開けデータバンク室の奥にあるMSシミュレーションルームへ入るウッソ。
コクピットの椅子に上着をかけて座ると、今までの戦いの記憶が鮮明に蘇ってくる。旧式の地球連邦軍MSのシミュレーターとはいえヴィクトリーやガンイージのコクピットと基本的な構造は変わらないからだ。
カサレリアでシャッコーを奪ってしまったあの日から今日、マチス・ワーカーを死なせてしまうまでの戦いの記憶…それは「辛い」の一言ではとても言い表せないものだったが、それに慣れてしまう自分がいるのも事実だった。
しかし人間の順応能力はそこまで優れたものなのだろうか。常に自分の中で変わらないもの、守りたいものがあるからこそ人は戦えるのではないだろうか。そう、マチス・ワーカーには家族がいたように…
そして、自分には…
そう考えた瞬間、キイッと扉の開く音がしてそちらへ椅子ごと視線を向けるとシャクティが立っていた。
ザンスカールに捕まってからずっとだった黄緑のブラウスと緑色の上着の姿とは異なり、なんの飾り気もない緑色のパジャマに身を包んだ姿だった。
「ウッソ…」
ウッソのもとへ一直線にかけていくシャクティ。ウッソも両腕を広げてそれを迎える。
シャクティは両脚を大きく開いてコクピットのウッソの上にまたがるように乗っている。
「シャクティ…」「ウッソ…」と名前を呼びあいながらお互いの背中に両手を回し強く抱きしめあう二人。何分も何分も…
ふと目を合わせると、唇を小さく開いてゆっくりと、しかし迷いなく顔を近づいてく。
そっとキスをし、お互いの吐息を直接感じあうと一旦顔を離し、目を見つめあってから再度顔を近づける。
「んっ…」
ウッソの舌がシャクティの口へ侵入し、シャクティの口内を貪るように舐めまわす。
その間、ウッソの手はシャクティの背中を優しくなでている。緑色のパジャマの柔らかい生地の上からシャクティの体温を手のひらいっぱいに感じるウッソ。
愛する男性の上にまたがり、舌を絡ませあい、背中をなでられてシャクティはふわふわと浮かんでいるような、不思議な感覚に包まれていた。ウッソにもその感覚が伝わった。だからこそさらに激しく、直接にお互いを感じたいと思うのだ。
シャクティの胸元へ手を伸ばし、パジャマのボタンをひとつひとつ外していく。パジャマの上着を脱がすと純白の肌着に包まれた、蛍光灯に薄く照らされた赤く火照った褐色の肌が姿を見せる。
ウッソはすぐにでも直に触れたいという欲求を抑え、「寒くない?」と尋ねる。
「ううん…」と返事を聞くと肌着に手をかけて一気に剥がす。
ウッソの眼前に小高い丘陵がふたつ姿を現した。片手ですっぽりとおさまる大きさだが、たしかにそこからは母性を感じられるものだった。
右側のつぼみに口づけしたかと思うとまるで赤ん坊のようにチュウチュウと音を立てて吸いだすウッソ。
左手はもう片方のふくらみに指を這わせ、揉むというよりも頂点の演習をそうっとなぞるように指を動かす。
シャクティは自らの胸にしゃぶりつくウッソの頭を両手で抱えながら「ウッソ!もっと…もっとぉ…」何度も名前を呼んでいる。
ウッソは右側を吸いきると左右を交代し、先ほどまで優しくなでていた左の果実のつぼみに吸い付くと、舌先で乳首を転がしたり甘噛みをしたりしてシャクティに刺激を与え続ける。
先ほどまで赤ん坊のように吸い付いていた右側には激しく揉みしだいたり、頂点を指で軽くつねったりして休む暇を与えない。
間断なく与え続けられる刺激に、シャクティの両側の果実の実がなったかのようにぷっくりと赤く色づくとウッソはシャクティの胸から顔を離し、腰に両手をかけた。
そしてシャクティを持ち上げると、180度身体を回転させ、シャクティを椅子に座らせる。
ズボンのゴムに手をかけてゆっくりと下ろすと、ピンクのリボンが小さくも存在感を出しているショーツには大きな染みができていた。
「どうして欲しいのか…言ってごらん…?シャクティ…」
胸への刺激により既にシャクティの頭はぼうっとしていた。自分でショーツの裾を持って、若干恥ずかし気に、しかし躊躇なく引き摺り下ろして床に落とす。
そして両手で両脚を大きく広げてシートのひじ掛けに両脚をかける。既にそこからは大量の蜜があふれ出ていていた。
「せつないのよ…ウッソ…」
シャクティの言葉を聞いたウッソは何も言わずにシャクティの赤い花びら顔を沈める。
それと同時にシャクティの赤い宝石をこするようにさわるとシャクティの腰がビクンと大きく震え、蜜が洪水のようにウッソの口内を浸水させる。
「ひゃあっ!ひゃうんっ!ウッソ…ウッソ…はああああん…」
ジュルルルルルルルルッ!ジュルッ!ジュルッ!ジュルルルルルルルル…
シャクティが悦びの声をあげるなか、ウッソはあふれ出るシャクティの蜜を飲み続ける。
「はあん!くぅぅん…ウッソォ…」
止まらない花びらへの愛撫にシャクティの頭は真っ白になり、ただただウッソから与えられる快感に全身を悶えさせていた。両手はシミュレーターのコクピットの左右の操縦桿を強く握りしめている。
ふと、ウッソから与えられる刺激が止まったかと思うと再び腰に両手を回され身体が回転し、ウッソが背もたれ側の位置に戻った。
さっきと違うのは、目線を下げるとウッソのいきり立ったものが存在感を主張していたことだ。
先っぽからは透明な液をにじませながら脈をドクンドクンと打ち、まだかまだかとその時を待ちわびている。
「ウッソ…もうこんなに…」
シャクティは片手でそれを掴むと、自らの腰を浮かせて一気にそれを受け入れた。
「あああッ!ウッソ!」
「くうッ…シャクティ…ッ!」
ウッソ自身、シャクティの胸に刺激を与えていた時から最大まで怒張したままだったので、暴発を抑えるだけで精一杯だったのだ。
シャクティの中の暖かみを感じていると今にも果ててしまいそうな感覚に襲われたが、尻の筋肉を引き締めると同時に今にも動かしたくてたまらない腰の動きを我慢することにより必死にこらえていた。
その間、シャクティがウッソの肩から背中へ手を回し、唇を吸いつけてくる。
獣のように舌を絡めあい、下品な音を部屋中に響かせながら唾液を交換する二人。
そうしていると腰の動きを我慢していても限界の時が近いとウッソが悟った。
シャクティもそれを感じたのか、それとも我慢できなくなったのか肉壁と肉棒をこすり合わせるように自ら腰を前後にスライドを始める。
ウッソもそれに合わせてシャクティのお尻を掴み、上下にゆする。
背中を弓なりに反らせて身を悶えるシャクティ。ウッソの背中から手を離し、自分の胸を激しく揉みしだく。
ズチュッズチュッ…ズプン!ズプン!ズプン!
ウッソは一秒でも長くこの刺激をシャクティと味わっていたいと思ったが、いよいよ限界が本当に近づいてきた。
「クッ…ああん…もう…出そう…」
「あああっ!頂戴いいいっ!ウッソの…全部…ッ!」
ウッソの手がシャクティの腰から背中へ、シャクティの手が自らの胸からウッソの背中へ回されてギュウっと抱きしめあう。
と、同時にシャクティの淫肉がウッソを今までにないほどの圧力で締め付ける。
「シャクティ…シャクティ…シャクティ…うっ!」
ドクッ!ドプ!ドプププ…
「ああ…ウッソが…ウッソの赤ちゃんがいっぱい入ってくる…」
満足感で満たされたシャクティはウッソの耳元でそう呟く。
シャクティの吐息を耳元で感じ、胸を押し付け合い直接に小さい胸の感触を感じてウッソも満足感に満たされていた。
腰をピクピクと痙攣させながら満足感を味わっていたシャクティだったが、しばらくすると涙を流しながらウッソに語りかけた。
「怖かったの、…ウッソが強くなりすぎて…どこまでも戦場にウッソを取られて今度は帰ってこれなくなっちゃうんじゃないかって…また行くんでしょう…?」
「シャクティ…」
いつものように大丈夫だよと言ってシャクティを安心させてやりたいウッソであったが、今度の戦い―――おそらく双方が総力をかけた戦いになるだろう―――
のことを考えると根拠もなく心配するなとも言ってやれず、ただ名前を呼ぶことしかできなかった。
それからしばらくの時間コクピットの椅子で肌を密着させながら深い眠りについていたふたりだったが、ふいに目が覚めた。
「ウッソ…今の…」
「シャクティにも聞こえた?鈴の音が…」
その音ははどこからともなく、しかしはっきりと自分たちのことを意識して向かってくる音だと直感的に確信した。
それはまるでこれからの激しい戦いの序幕を告げるメロディのようでもあった。