夜、届いた手紙
「良かった!シャクティ!」
(ウッソが私を置いてどこかに行ってしまう。早くカサレリアに帰りたいのに…ウッソが心配だから戦争をしている人達に付いてきてしまった…)
(それなのに戻ってきたウッソは何事もなかったようにケロッとしている。おかしいわ、こんなこと)
「ッ…」
「どうしたんだよォ」
シャクティの脚が一直線にウッソに向かっていく
「ッ…ウッソ…」
(言葉なんていらない、ただこうしてウッソの存在を感じていたいの…)
「馬鹿だなァ。大丈夫だって言ったじゃないか」
(ウッソは私を心配させないようにしてくれている…それでも)
「あなたって一体、どういう子なのかしら?」
「どうって…こんなもんです」
(カテジナさんのような綺麗な女の人を見るとすぐに気取ってしまう…私にだけ優しくしてくれるのは分かっているけど…
カサレリアでもカテジナさんに顔を赤くしていたのは知っているわ)
「ウッソ君。地下に降りて休むといい。がその前に戦闘の詳細を聞かせてくれるかな?」
「いいですよ」
シャクティから手を離し、オイやロメロに連れられて地下へのスロープに向かおうとするウッソ。
(ウッソが…戦争に、大人達に取られていってしまう…私から遠く離れてしまう…そんなの…)
シャクティの右手がウッソの背中に伸びる。
「シャクティ?」
ウッソの背中を掴んで俯いたままのシャクティの口が微かに動く。
「一緒に…星を見たいの…」
「シャクティ…」
「シャクティさん、すまないがウッソ君の経験は我々の…」
「好きにさせてあげてくださいよ!」
声を上げたのはカテジナだった。
「ウッソ君は命がけで故郷を…私達を守ろうと戦ってくれたんです!話を聞きたいのなら明日でも十分でしょう?!」
その場にいた全員の視線がカテジナに集まった。ウッソは呆気にとられた表情をしている。
「そ、そうだな…ウッソ君、今夜は好きにしなさい。だが明日になったら報告はしっかりと頼むよ。戦闘報告書というのは君なら分かるだろう?」
そう言うと大人達はコア・ファイターを牽引して地下に降りて行った。
地上にふたり残されたウッソとシャクティ。ゲートの近くではフランダースが心配そうな顔で見つめている。
「ウッソ…」
「シャクティ…」
「ごめんなさい…ウッソも大人の人達も困らせてしまうのは分かっていたけど…わたし、わたし…」
潤んだシャクティの瞳が限界に達し、大粒の涙を地面に落とす。
「もう泣かないで、シャクティ…」
ウッソの手がシャクティの頭を優しく包み、もう片手は背中をさする。
(僕は、みんなを守るためとはいえシャクティ追い詰めてしまった…シャクティはこんなにも僕のことを思ってくれてるのに…)
ウッソは何も言わずにただシャクティを安心させようとする。シャクティの声にならない声を一身に受けながら…
何分経っただろうか。シャクティの涙が収まったように思えた。
「シャクティ…表に出て星を見ようよ」
「うん…キャッ!」
言うが早いかシャクティをお姫様抱っこするウッソ。
シャクティを抱えたまま建物の表の壁に背中をつけて、ゆっくりとシャクティを降ろす。
地面に座って横に並ぶふたり。ウッソの手がシャクティの肩にかかる。
「僕はここにいるから、絶対にひとりにしないから。シャクティ」
「ウッソの手、暖かいわ…星が、きれい…」
「ああ…」
昼間に戦闘があったとは思えないほどに静寂さをまとった森、戦闘機が飛び交ったとは思えないほど静かな空がふたりを包み込む。
「いつだってカサレリアから見られる空なのに…今日はいつもより優しい感じがするわ」
「夜風、寒くない?」
「少し…でもウッソがいるから感じないわ」
シャクティの瞳がウッソを見つめる。その瞳に涙はもう無かった。
シャクティの頬にそっと手を添えて、ゆっくりと口を近づける。シャクティも目を閉じてウッソを受け入れる。
ふたりの唇が重なる。快楽を求めあうわけではない、純粋にお互いの体温を、存在を確かめあうキスだ。
「はあ…」
重なり合った唇の間に隙間が開き、再び唇が重なり合う。今度もただ重なり合うだけの形だったが、ふたりはそれで十分だった。
唇を通じてシャクティの、ウッソの体温を感じあう。そこに相手がいるということが分かるだけで、それ以外のなにものもいらなかった。
それだけで満足だとウッソも思っていたが、再度唇を離してシャクティの瞳を見ると、もっとシャクティを感じたいという思いがふつふつと湧いてきた。
「シャクティ…」
ウッソの手がシャクティの胸に伸び、服の上から撫で始める。
「少しだけ…いいだろシャクティ…」
その言葉に、シャクティもウッソに身体を委ねて地面に倒れこむ。
指を絡めあい、身体を重ねてキスをするふたり。今度はお互いの存在を確かめ合うだけではないキスだ。
静寂な空間にくちゅっくちゅっという音だけが聴こえる。
舌を絡めつつ、ウッソの手がシャクティの服をめくり、肌着の下に潜り込む。もう片手はスカートの裾からシャクティの太ももを撫でだした。
シャクティの口腔と胸と太ももを器用に刺激し続けるウッソだったが、次は肌着もめくって小高い丘のピンクのつぼみに口づけした。
「ああ…ウッソ…」
シャクティの胸に吸い付くウッソ。その様子はいつもよりも必死なようにシャクティには思えた。
(ウッソが必死に私のおっぱいを吸っている…こうして見て見るとカルルみたいで可愛い…あっでも…)
普段はベッドの上で一糸まとわない姿で味わう感覚だったが、今は夜風と草の香りを感じながらウッソに愛されている。
シャクティの頭にはすでにさっきまでの心配は無かった。
(ウッソが愛してくれている…求めてくれている…)
気が付くとウッソの顔が胸から離れてスカートの中に入り込んでいた。
果実の皮を剝くように、下着をずらして、蜜の溢れる果肉を愛おしそうに味わうウッソ。
ウッソが自分を求め、愛してくれているという事実だけで、シャクティにはどんなに優しい言葉よりも安心感とやすらぎを感じられた。
しばらくしてシャクティの果肉を味わい尽くしたウッソは、立ち上がって自らの屹立したものをシャクティの眼前にさらけ出した。
シャクティはゆっくりと起き上がると、小さく嘆声を漏らし、左手で根元を掴み、小さく出した舌を先端に当てた。
舌先が当たった瞬間にピクンと小さく震えたのを感じると、鈴口から裏筋まで丁寧に舐め上げるシャクティ。
舐めると同時に、添えた左手を前後に擦ったりたりしてウッソに様々な刺激を与える。
激しい刺激を与えた後、愛おしそうに添えた両手とぱっくりと咥えた口全体で鉄の棒の熱を感じていると、じんわりとした苦みが広がった。
その姿勢のままシャクティが視線を上にすると、快感に悶えるウッソの顔があった。
シャクティにウッソの限界が近いことが伝わると、一旦口を離して、透明な液が溢れる熱い蛇口を外気に当てる。
ウッソが少し落ち着いたように見えると、次は横側から何度もキスを繰り返すシャクティ。
両手は横笛を持つように、優しく握りながらウッソの敏感なところを指先で撫でている。
それに応えるようなウッソの嬌声が聴こえると、ややもの惜しげな表情をしつつ顔を離し、冷たい建物の壁に両手をつけた。
「ねえ、ウッソ…最後は一緒に…」
その声にウッソは無言で赤いスカートをまくり上げる。
愛液に濡れ切った下着を膝まで降ろすと、散々シャクティに焦らされた暴発寸前のものを熱を帯びた秘所にぴたりと当てた。
ウッソが腰に力を入れて一気に押し込めようとしたその瞬間…
クシュン!
シャクティが不意に声を漏らしてしまった。
「大丈夫!?シャクティ…やっぱり寒いんじゃないか」
「だ、大丈夫よ。このくらい…」
「駄目だよ!こんなところで風邪ひいちゃったら…カバンにタオルと替えの下着入ってるよね?」
寝袋の横に置いてるカバンを持ってきて、つたった愛液が光る太ももをタオルで拭くウッソ。
「ごめんシャクティ…僕が無理言っちゃったから…」
(シャクティは僕のことを思うと自分でも知らない間に無理し過ぎちゃうんだ…僕がもっとしっかりしないと…)
「地下に降りてちゃんと布団に入らなくちゃ、シャクティ」
「うん…ねえウッソ。カサレリアに帰ろう?」
「明日になって日が昇ってからでも遅くないよ…それにカルルマンも連れて来なくちゃね…」
「ええ…私ね、あの子の顔を見ると何かしてあげないとって思ったの…」
(そうだよな。子供がこんなところで戦争するなんておかしいんだ…)
ふたりは足を揃えて地下へのスロープを降りて行った。